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茶の湯 霜月
風炉から炉へと移り茶人としてのお正月口切りが行なわれる月です。開炉を迎え路地の敷松葉が美しくなる。

茶壺 「初霜」

「初霜」の銘は、おそらくあちこちに見られる白い釉景が初霜を思わせるところから名付けられたと考えられる。
壺の底部には墨書きで「勘兵衛」と思われる文字と花押(かおう)が見られ、この茶壺には「勘兵衛壺」との別 名がついている。
勘兵衛とは、尾張名古屋に生まれた武将で、織田信雄(のぶかつ)、徳川家康、秀忠に仕えた土方雄久(ひじかたかつひさ)と推測されている。本願寺坊官下間氏から土方勘兵衛へ、家康に献上されたあと西本願寺門跡光圓へ伝来したと推される。
『松屋名物集』『玩貨名物記』『茶器名物図彙』所載。

江戸時代、毎年、新茶の季節になると「お茶壺様」を駕籠(かご)にのせた華麗な行列が宇治−江戸間を往復しました。
人々はこれを「お茶壺道中」と呼びました。
♪ズイズイズッコロバシ胡麻味噌ズイ 茶壺に追われて 
       戸をピッシャン 抜けたーら ドンドコショ〜〜♪

 の童謡からも、当時の民衆の道中に対する畏怖が伝わってきます。
 こうしたことから、お茶壺道中は、沿道の民衆にとって非常に迷惑であり、恐れられていたと考えられます。

 

 
 
 
風 情

炉開き 口切り 七五三

『柚の色づくを見て囲炉裏に』と利休がいった開炉茶人は最も重要視するのが口切です。
口切は、5月に採れた新茶を壷の中で熟成させたお茶を密閉してある。壷の口を小刀で始めて切り開ける 。侘びた十月の名残の風情から一転し華やかな月となる。

茶 趣

 一陽来復 敷松葉

 残菊 朽ち葉(くちは) 蔦紅葉(つたもみじ) 冬紅葉

 峰の松風 暁の霜 木枯し(こがらし) 旅の宿

茶 花

 山芍薬(やましゃくやく) 寒牡丹 七竈(ななかまど) 紫式部 山法師 大白玉椿 初嵐椿 侘助椿(わびすけ)  

季 語

初時雨(はつしぐれ)  夷講(えびすこう) 帰り花(かえりばな) 

茶 掛

松無古今色 (まつにここんのいろなし)

『竹に上下の節あり』と続く松には先年の翠を保ち、竹には上下の区別がある。古今と上下、無と有を対比させ、平等と差別の関係を表現している。

今月の茶花 令法(りょうぶ) 白玉椿(しらたまつばき)

ちょっと椿が微笑んでいるようで華やかな雰囲気 風炉から炉へ移りかわり、茶花もまた草ものから木のものに移り、椿類が始めて使われます。この時期はあしらいに木のも、照り葉(どうだんつつじ・雪柳)や実のもの(紫式部・数珠玉)なども好んで使われます。